今日「アブストラクト」とは様々な場面でよく使われている。具体的には大学院入学からノーベル賞の審査まで幅広く用いられ、学者としてのキャリアの積むには、その全ての段階で必ず使われているものである。つまり「アブストラクト」とは国際的研究者として認められるために、なくてはならない手段であると言えよう。
ここ数年、ハーバード大学などでは「アブストラクト」というのは、論文や記事の内容の要約(summary)だけではなく、研究の意義(significance)や学術発見、研究方法等が中心となり「アブストラクト」自体も短くなってきている傾向にある(100-250words 程度)。
「アブストラクト」とは大学院生や研究者にとって自分のPRのチャンスであり、さらに自分の研究の特異性をはっきりさせる機会でもある。その上、 英語で書かれた「アブストラクト」をHPなどに載せれば、世界中の学者がGoogle, Yahoo等を利用することで、自分の研究の成果をグローバルなacademic communityにすぐアクセスさせる事が可能になる。
コース概要
今回のコースでは、ワークショップのかたちで100−250ワードのアブストラクトの簡単な書き方を提案する。ワークショップの基本方針は自分の研究成果の核を絞り込み、更に磨き込んでコンパクトな「アブストラクト」にまとめる事である。
ここでは特に高度な英語力は必要とされないが「アブストラクト」の雛形に沿った英語での簡潔な表現を学ぶ。
「アブストラクト」は自分の完成した、あるいはほぼ完成した論文(ゼミのレポート、修士、博士論文)に基づいて考察する。
最終的にこのコースでは学術誌や学術会議、奨学金や就職申込書等、研究成果を国際的にアピールするために有効な、英語による「アブストラクト」の書き方を学ぶ。出来上がった「アブストラクト」はコースの為に特別に設けたウェブサイトに掲載して自分たちの研究成果の国際的デビューをする。